1. ミッション基本編

「ビジョナリー・カンパニー」という書籍が世に出て以降、様々な経営者がビジョンやミッションの重要性をとき、まず、「戦略を作る前にビジョン・ミッションを決めましょう」といったことがよく言われます。それらは、とても重要なことですが、多くの方が「そもそもビジョンとミッションとゴールって何が違うの?」という根本的な疑問を抱くのではないでしょうか?アメリカの経営学の概念を輸入して、無理やりカタカナ英語で表記しているため、日本人にとってはどうもわかり難いものになっているのです。本篇では、以下、ビジョン、ミッションという言葉をできるだけかみ砕いて解説します。learn more

2. ミッション・ビジョンの作り方

ミッションは、基本的なレベルで、事業を定義するのにもってこいの部分です。ミッションでは、あなたの会社の目指すべき理想的な姿を30秒以内で表現できるとよいでしょう。あなたの会社は何者で、何をしていて、何故どのような事業を行っていることを簡潔に伝えなければなりません。
あなたは、儲けたいと思っていますか?それとも、生活ができる程度の稼ぎができればよいと思っています?どのような市場を対象にしたいと思っていますか?社会にどのような貢献をしたいと思っていますか?顧客の抱えている問題があなたのアイディアで解消できますか?従業員のためにどのような職場環境を整備したいと思いますか?このような課題は、ミッションのなかで謳われなければなりません。learn more

3.エグゼクティブ・サマリー

エクゼクティブ・サマリーとは、事業計画書の重要なポイントまとめた要約を指します。目次でみると、このエクゼクティブ・サマリーは、最初ページに位置することになります。事業計画書の最初に配置されるものの、実際に書く場合は、事業計画書のコンテンツが一通り完成してから、最後に要約として書くことが一般的です。この要約は、読み手が最初に目を通す部分であり、残りの部分を読んでもらえるかどうかは、要約の「デキ」にかかっているといってもよいでしょう。その意味でも、ターゲットとなる読み手を意識して、入念にエグゼクティブ・サマリーの構成・内容を考えることが重要となります。learn more

4. 会社概要

会社概要のセクションでは、会社の設立年月日や資本金などの「基本情報」と併せて、事業開始以降の会社形態の変更や事業内容の変更、さらには、業界での地位の変化など自社の現状を理解するうえで必要な「会社の沿革」を説明します。
これらの情報は、読み手にとって、会社の概要を理解する上で入り口になります。特に、事業計画書を読みなれたプロの投資家や銀行の審査員は、会社概要情報に目を通しただけで、会社のイメージをおおよそ掴むものです。learn more

5. 製品・サービス

標準的な事業計画書には、製品・サ-ビスについての詳細な記述を含めます。このパートでは、図、表、写真等を使い、読み手に、製品・サービスの概要とビジネスモデルをわかりやすく伝えることが重要となります。製品の場合は、具体的な部品構成についても説明を加え、競合との差別化ポイントを明確することが鍵となります。learn more

6. 市場分析

マーケティングは、通常、以下の3つのステップにしたがって行います。事業計画書においても、この3つのステップを明示的に記載することにより、読み手に伝わりやすくなります。なぜなら、事業計画書の読み手の多くは、経営やマーケティングに関する知見を有していることから、教科書どおりの説明のほうがぐっと頭に入って来やすいからです。

1) セグメンテーション(segmentation)・・・顧客を分類
2) ターゲティング(Targeting)・・・・狙う顧客を選定
3) ポジショニング(Positioning)・・・顧客から見た場合の自社の位置づけを設定
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7. 産業分析

「社長失格」で有名な板倉社長が立ち上げたハイパーベンチャーという会社も、画期的なビジネスモデルで一躍時代の寵児となりました。しかし、多額の資金調達後、数年足らずで、多額の負債を抱えたまま倒産。倒産の原因を突き詰めてみますと、ビジネスアイディア自体は画期的でしたが、期が熟す前に多額投資を行い、銀行に融資を引き上げられ倒産するという事業環境に対する分析が甘かった点が挙げられます。このように、産業内で起こる競争環境の変化は、あなたの事業に多大な影響を及ぼしていることを忘れてなりません。業界の知識が豊富になれば、それだけ、優位に立てますし、競合からの脅威に対する対処策も考えることができるようになります。フルセットの事業計画書においては、業界の経済構造、参加者、物流パターン、競争要因など、業界を特徴づける要因について記載することが必要になります。learn more

8. 戦略と実施施策

価値提案とは英語のバリュー・プロポジション(Value Proposition)の日本語訳の言葉です。日本の経営学では、これまで、ほとんど取り上げられることはありませんでしたが、アメリカの経営においては、会社のサービスの差別化要因を語る上で、なくてはならない概念です。近い概念として、差別化要因、競争優位の源泉、強みという言葉がありますが、「価値提案」は、顧客にとって価値のあるポイントという意味合い強い言葉です。特に、会社のブランド力がない、ベンチャー企業は、純粋な製品・サービスの魅力のみで勝負をします。そのため、顧客にとって、真に価値があるかどうかが、売れるかどうかの決め手になるため、ユニークな価値提案があるかどうかが重要になるのです。learn more

9. 産業分析

あるベンチャーキャピタリストに、事業計画書を見るポイントをたずねたところ、以下の5つのポイントを最も重要視していると聞いたことがあります。

1. ビジネスにつながる技術
2. 市場の成長性
3. 創業チームメンバー
4. 顧客基盤
5. 実行能力
その中で、「創業チームメンバー」の質の良し悪しが、顧客基盤の構築や実行能力にも多大な影響を与えることから、何よりも重要であることが分かります。現在成功しているDeNAは、操業当初から、カリスマ的な南場氏の周りに優秀な技術者・コンサルタントが集まって結成されたドリームチームで事業を行っていました。設立当初取り組んでいたオークションビジネスでは、目を見張る急拡大まではいきませんでしたが、その後、ゲームビジネスに参入して大成功できたのも、優秀なエンジニアからなるドリームチームがあったからでしょう。learn more