1. 売上予測の作り方

売上高は、トップラインともいい、事業計画書の作成にあたっては最も精査に時間をかける項目です。売上高は、マクロ環境、市場動向、競争環境等の外部環境要因の影響を大きく受ける一方で、会社の新規出店計画、マーケティング戦略、新商品の開発計画等の内部環境要因の影響も受ける項目です。したがって、これらの要因を総合的に勘案した上でモデリングを行わなければなりません。
売上高の予測方法は複数ありますが、通常、以下のステップにしたがって行われます。

1. 予測期間を定める
2. 売上予測のアプローチを決める
3. 収益構造のブレイクダウンを作成し、売上予測の算式を決める
4. 仮定条件の数値を集める
5. エクセルで試算してみる
6. 肌感覚チェック
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2. 損益計算書の予測方法

売上高の予測が終わったら、次は、損益計算書の各項目を次の5つステップで予測します。
1.変動費と固定費を分類する:
2.固定費について何と連動しているかを見極める:
3.連動する項目に対する比率を予測する:
4.連動する項目の推定値と比率を掛け合わせる:
5.連動性のない固定費を個別に予測する:
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3. 人件費の予測方法

経営における重大な要素として、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」があります。特に中小企業では、各「ヒト」が持つ能力の掛け算によって、その会社の経営能力が決まることから、ヒトという資源の持つ意味は、とりわけ重みを増してきており、他社との大きな差別化要因となっています。
しかし、だからといって何でも積極的に採用すればいいというものではありません。それは、多くのベンチャー企業が拡大期に、積極採用を行い、人件費の負担に耐え切れず、倒産に至った例からも、教訓として一般に認知されていると思います。日本においては、一旦採用した従業員は、簡単に解雇できない事実を鑑みると、「ヒト」への投資は経営上、何よりも重みのある意思決定事項であると考えられます。learn more

4. 減価償却費の予測方法

設備投資などの巨額の支出を複数期間にわたって、按分して計上する費用のことを減価償却費といいます。例えば、3年間使える300万円の設備を購入したとします。1年目に300万円の費用として損益計算書に計上しまうと、3年間使っているという実態が反映されません。そこで、300万円の設備を買った際、300万円の設備を一旦設備として資産に計上し、3年間にわたって、100万円ずつ費用に計上します。この計算の裏にある仮定は、毎年同程度に価値が減少していくというもので、そのため、300万円÷3年=100万円という計算になるのです。これが減価償却費の基本的なコンセプトで、考え方自体は、至ってシンプルです。learn more

5. 貸借対照表項目の予測方法

貸借対照表の予測する方法は、主として、以下の2つの方法があります。
1. ストック・アプローチ:貸借対照表の各項目の数値を予測する方法(例:売掛金の回収サイトが2ヶ月であれば、月々の売上100*2ヶ月=売掛金200と見積もる方法)
2. フロー・アプローチ:前年度末の数値を元に、変化率を乗じて予測する方法(例:前年度の売掛金が200で、売上の成長率が20%なら、200*1.2=240と見積もる方法)

中小企業の事業計画書を作成する場合においては、上記2つの方法のうち、ストック・アプローチが一般的に適していると考えられます。貸借対照表の勘定科目と売上高や売上原価との相関関係が高いため、精度の高い貸借対照表の見積もりができると考えられるからです。learn more

6. キャッシュフローの予測方法

事業計画書に添付するキャッシュフロー計算書(以下CF計算書)を作成する方法は、大きく2つのアプローチがあります。

1.EBITDAをキャッシュフローとみなす方法
2.BSとPLから正確なキャッシュフロー計算書を作成する方法

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