5分で流し読みできる計画書が理想

魅力的な事業計画書を作成するための重要なポイントは、「読みやすさ」と「まとまり具合」です。良い事業計画書は、5分程度の流し読みでも、読み手に大まかなアイディアの印象を残すものです。
「見た目」ももちろん重要で、フォーマット、標題、余白、イラストまできっちりと配慮されていれば、事業計画を一層際立たせることができます。事業計画書の冒頭を飾る要約部分も、投資家の興味を引くかという観点では、決定的に重要です。プレゼンテーションで要点を聞き手に伝えるように、事業計画書においても、重要ポイントを際立たせる必要があります。

文字数へのこだわりを捨てましょう

残念ながら、多くの方が、文字数にこだわり、事業計画の長さを決めています。文字数やページ数は、参考程度に捉えるべきです。大切なことは、重要な情報を省略しすぎないことです。
内部使用目的のより実務的な事業計画書であれば、5-10ページ程度の長さ。大企業の事業計画書であれば、100ページを超えることもあります。創業時に作成する標準的な事業計画書は、20-40ページが適切といわれています。読みやすく、適切にスペースをとり、箇条書きでキレイにフォーマットが整えられている。さらに、図表や財務テーブルそして、詳細な財務プランが含められたものが理想的といえます。

ベンチャーのピッチコンテストでは、通常30ページ、時に40ページという長さの制限があります。残念なことに、ページ制限を設けられているため、多くのコンテスト参加者が、限られたスペースに大量の情報を盛り込もうとしてしまい、事業計画書の焦点をぼかしてしまっています。素晴らしいアイディアを持ちながら、訴求力のないプランを作ってしまうことも多いのが現実です。ピッチコンテストのファイナリストのビジネスプランを見てみると、20ページより少ないことはありませんが、50ページを超えることもほとんどありません。最も多いのが30-40ページのものです。

読みやすさにこだわりを

ページ制限があるからといって、有用なグラフを削除して、事業計画書を短くしてしまうのは得策とは言えないでしょう。実際のところ、ページ数というのはそれほど重要ではなく、「読みやすさ」が何よりも重要なのです。表やグラフを多用して、数字を分かりやすく表現することで、財務予測データはより投資家に理解されやすいものになるはずです。場所、製品、サンプル品などを効果的に伝えるためには、写真をできる限り多く使うことが有用でしょう。ただし、本題と無関係の写真や絵を挿入することは控えなければなりません。できる限り、シンプルに分かりやすくが大原則だからです。